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布ナプキンのメリットデメリット、失敗談と効果のまとめ
私は2000年に布ナプキンユーザーになりました。とても気に入り愛用しています。
今までの経験を振り返り、報告レポートとして書き留めておきます。
布ナプキン実践報告レポートの内容
- 布ナプキンのメリットとデメリットについて
- 布ナプキンで外出し失敗した経験について
- なぜ布ナプキンユーザーになったのかについて
- 布ナプキンの効果に対する考え方について
- 布ナプキン実践報告レポートのまとめ
◆布ナプキンのメリットとデメリット
メリット
- ゴミが出ない
- ストック・買い置きの心配がない
- 肌触りがよい
- あたたかい
(お腹に腹巻、首にストール、手に手袋など布一枚足すとあたたかいのに似てるかな) - 生理に関心をもつようになる
(交換のタイミングをみたり洗うときなど量や状態を気にする)
デメリット
- モレは起こり得る
- ポーチに入れて持ち出す場合、捨てないので中身が減らない
- 色々な布ナプキンが欲しくなる
(洋服感覚でしょうか、メリットと矛盾してますね) - いつでもどこでもすぐ手に入らない
(スーパーやコンビニで売られていない)
◆布ナプキンで外出し失敗した経験
デメリットにあげたモレは起こり得るを痛感した私の失敗談です。
布ナプキンに慣れてきたある時、外出先で多めの出血を感じたので、
急いでトイレへ駆け込んでみたら、
布ナプキンを貫通した血がショーツとガードルも通過し、
太ももの内側にまで血が付いてしまったのです。
スカートは汚れなかったのですが、もしもパンツだったら・・・。
それに、着替えるために下着類を急きょ買ったことは痛い出費でした。
これほどの大失敗ではなく、ちいさな失敗はたくさんあります。
ほんの少しショーツに血が付いた、朝起きたらシーツやショーツの
オシリの位置に点々と血の跡が付いたという失敗です。
でも、このようなことは使い捨てナプキンでも経験しているので、
布ナプキンだから失敗したと言うことではありません。
私が布ナプキンを過信していたための失敗です。
布ナプキンの失敗を防ぐ方法は、
交換してからあまり時間がたっていないと思ってもマメにチェックしたり、
布ナプキンの種類やサイズ(長さ)を見直してみたり、
布ナプキンだけと決めつけず、使い捨てナプキンを活用することです。
◆なぜ布ナプキンを使うようになったのか
私は2000年の春頃、新聞で布ナプキンを取り扱う雑貨店の記事を読み、
布ナプキンがあることを知って、とにかく驚きました。
布ナプキンのことは小学校での初潮の授業や母からも教わっていません。
そのため、あたりまえのように使い捨てナプキンを使っていたので、
生理用品は使い捨てるのが当然だと思い込んでいたのですから。
その新聞によると、布ナプキンは洗って繰り返し使えること、
コットン素材で肌触りがよくからだを冷やさないというようなことが書いてありました。
赤ちゃんのおむつも使い捨てと布おむつの両方ある、
だから布ナプキンもよさそうだとは思いました。
でも、布の吸収力は大丈夫なのか?生理の血はきれいに落ちるのか?
という疑問もありました。
疑問を持ちつつも、一度使ってみたいという気持ちが勝り、
シンプルな白うさぎの布ナプキンを数枚買ってみました。
これが白うさぎの布ナプキンです。
漂白されていない生成り色のコットンのネル生地でふっくらしています。
初めてこの布ナプキンを手にしたとき、ふわふわの生地に思わず頬ずりしながら、
どうせ汚れるものなのにこんなにきれいな布をナプキンにしていいんだ
と感動して、早く使ってみたいと思いました。
使い捨てナプキンを手にして生地に感動したり早く使いたいなどと
思ったことがなかったので、とても新鮮な気持ちがしました。
実際に使ってみて思ったことは、もっと早くから使っていたかったということです。
布ナプデビュー当時、私は初潮から20年近く経っていましたが、
どうして誰も教えてくれなかったんだと、何か損をしていたように思いました。
心配していた吸収力と洗濯の問題は意外とクリアできることも分かりました。
吸収力の問題は、吸収体入りなど布ナプキンの種類を選ぶことや、
マメに交換することで解決できます。
洗濯の問題は、使い捨てないのでたしかに手間はあります。
でも、洗い方の手順を覚えれば面倒というほどでもありません。
◆布ナプキンの効果に対する考え方
効き目という言葉は不適切でしょうけれど思いのままに書いておきます。
以前は生理期間の特に終わりごろになると、ナプキンをあてている部分が
赤くなったりかゆみが出ることがありました。
たまたま体調がよくなくて肌荒れを起こしていたのかもしれませんが、
布ナプキンを使い始めてからは肌荒れが気にならないことが増えた気がします。
他にも大きな変化がありました。
布ナプキンは捨てないで洗って使うという性質上、
使用後のナプキンをまじまじと見ることになります。
今回はどのくらいの量でどのくらい汚れたとか実際に見ながら、
前回はどうだったかなども考えるようになりました。
そのせいと断言はできませんが私の場合は行動に変化がありました。
私は布ナプキンユーザーとなって初めて婦人科へ行きました。
勇気を出して(大げさですがそんな心境でした)婦人科へ行き、
体調や生理の悩みなどを相談し検査を受け基礎体温も記録するようになりました。
布ナプキンユーザーになった時期と病院へ行く気になった時期が偶然重なっただけ、
と思われることでしょう。ですが、生理を通して以前より健康に関心を持つようになれたこと、
そのことが私にとって何よりもの布ナプキンのききめだったと思っています。
◆布ナプキン実践報告レポートのまとめ
布ナプキンは使い捨てナプキンと同じくサイズや種類もたくさんあり、
他の衣類や洋服のようにカラフルという点では、むしろ布ナプキンのほうが
使い捨てナプキンよりもバリエーションがあると言えるほどです。
布ナプキンに出合う前、生理の処置は使い捨てる生理用品で行うことが当然だと思っていました。
捨てなければいけないもの、だからというわけではないですが、
生理自体についても何かけがれたものというイメージが結びついているような気がしていました。
ある時、生理のことを
「月経血は赤ちゃんのベッドになる予定の子宮内膜がはがれおちたもの」
と説明している本をみて、生理はゴミじゃないと思うようになりました。
但し、生理はゴミではないということには少し補足が必要です。
生理=月経はからだの機能としての自然現象ということと併せて考えてみると、
月経をゴミと同様に不要なモノとみなすことと、生理用品をゴミとして適切に処分することは
分けて考える必要があります。
前者は、自分の健康を軽んじるような意識行動と例えることができ、
後者は、排泄物処置に使用したモノを適切に処理することを意味します。
私がなんとなくイメージした生理はゴミじゃないという解釈は、
自然現象である月経に行き過ぎた別の意味を含んでしまいかねません。
普遍的なことに対して、それは特別なことだと過剰に価値を持たせることは
好ましいとは思えません。
月経という自然現象を特別視して、その処置用品である布ナプキンに
行き過ぎた精神性を含ませてそのよさを強調することは、
それを受け入れない側を排除するという、過去の月経不浄視にも繋がる
可能性が生じうるという考えに至りました。(
※)
布ナプキンや使い捨てナプキンやタンポン、月経カップなど生理用品には
様々な種類があることを知るのは生理を快適に過ごすために大切なことです。
ですが、モノに優劣をつけるのではなく、たくさんの生理用品の中から
自分に合うものをみつけて使うことは、生理を快適にするためにさらに大切です。
私は2000年のある日、たった一枚の布ナプキンに出合って以来とても気に入り、
生理用品を選ぶときの優先順位のトップが布ナプキンになりました。
私にとって布ナプキンを使うことは自然に習慣となりましたが、
現在市場にたくさんある生理用品の中から、布ナプキンだけを選ぶことを
すすめるつもりは全くありません。
◆布ナプキンを知ることは選択肢が増えること
布ナプキンこそがよい生理用品であると決めつけてしまうことは行き過ぎた錯覚です。
そのような考えは他の生理用品を排除することになり、
自ら処置用品の選択肢を減らすことになります。
たくさんの選択肢の中からその時の自分にあったものを選べばよいのです。
ひとつしか持っていなければ・知らなければそれ以外に選び取る余地はありませんが、
複数知っていればその時の状況に応じた選択が可能です。
布ナプキンに関心を持たれた方には、まずは布ナプキンを処置用品の選択肢に
加えておくことをおすすめします。
※自然現象である月経を特別視しないことの重要性を教えてくれる書籍
『生理用品の社会史 タブーから一大ビジネスへ』田中ひかる(2013 ミネルヴァ書房)
『月経と犯罪 女性犯罪の真偽を問う』田中ひかる(2006 批評社)
◆体験談と作り方が本になりました
手作り布ナプキン用の型紙つき、イラストと写真で使い方や作り方を詳しく紹介しています。