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アンネナプキンとは

1961年アンネナプキンの登場と
「40年間お待たせしました!」について

アンネナプキンとは

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―アンネナプキンの発売とキャッチフレーズについて

アンネナプキンとは


アンネナプキンは、旧式の月経帯と脱脂綿による処置法から
現在主に行われている使い捨てナプキンによる処置法への転換を促し、
生理用品の品質向上や市場の発展に大きな影響を与えました。

発売は1961(昭和36)年11月11日、使い捨てナプキンのアンネと
月経帯(サニタリーショーツ)のパンネットがアンネ株式会社から同時に売り出されました。
発売時の値段はアンネナプキンが12個入りで100円、パンネットが150円、
アンネの広告を掲載していた女性雑誌が一冊190円の頃のことです。

会社を率いたのは27歳の坂井泰子(よしこ)社長です。
アンネ株式会社社長 坂井泰子氏画像
インタビューに答える坂井社長
1962年『週刊女性』2月14日号

坂井氏はアンネ発売の前年に、一般の人の発明やアイデアを製品化するために
企業との仲介をする会社、発明サービスセンターを設立しました。

発明サービスセンターへは電化製品のアイデアが多く寄せられましたが、
その中に脱脂綿による水洗トイレの詰まり防止のアイデアや、
従来のゴム製月経帯の改良案など生理用品関連のものがあり坂井氏の目に留まりました。
トイレを詰まらせることなく、快適に生理期間を過ごせる製品をつくろう、
そう決意し自ら開発に取り組んだのがアンネナプキンとパンネットです。

アンネナプキンの特長は、脱脂綿の5倍以上の吸収力があり、
使用後はトイレに流すことが可能で綺麗な箱入りの個包装です。
パンネットは、頭にかぶるヘアネットからヒントを得た
ナイロン製のネットを用いた伸縮性と通気性に優れたサニタリーショーツです。
アンネナプキンは、それまでにはなかった便利で衛生的な生理用品として
認知され、生理のことをアンネと言うほど浸透しました。

「40年間お待たせしました!」の40年とは


アンネの発売時のキャッチフレーズは「40年間お待たせしました!」です。

アンネナプキンキャッチコピー「40年間お待たせしました」広告
1961年『主婦と生活』11月号

先に考えられていたのは「あなたもわたしもアンネナプキン」というものでしたが、
宣伝担当課長が大反対をしました。
反対の理由は、アンネ社は会社の所在地も銀座にこだわり都会の女性をターゲットにした
製品を送り出すのだから、猫も杓子もというような宣伝文はふさわしくないということです。

社内外にキャッチフレーズの募集をしたもののなかなか決まらず、
広告の注文を出す日が迫る中、ようやく決定した名文句
「40年間お待たせしました!」は、第二次社内募集の中から採用されたものでした。

40年間の意味するところは、40年前の1921(大正10)年、
アメリカでコーテックスという使い捨てナプキンが発売されたことによります。
コーテックスは、従軍看護婦たちが戦地で血液処理に綿や包帯が適していることに
ヒントを得て誕生したもので、そのコーテックスに遅れること40年という意味です。



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最終更新日:2015年11月25日

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